プレバイオティクスとプロバイオティクス

更新日:8月27日

腸内の善玉菌の割合を増やすし、腸内常在菌のバランスを整えるには、大きく分けて二つの方法があります。


一つめは、生きた善玉菌である「プロバイオティクス」を直接摂取する方法です。

食品ではヨーグルト、納豆、漬物など、ビフィズス菌や乳酸菌を含むものです。ただし、これらの菌は腸内にある程度の期間は存在しても、棲み着くことはないため、継続して摂取する必要があります。

二つめは、腸内に存在する善玉菌を増やす作用のある「プレバイオティクス」を摂取する方法です。

食品成分としては、食物繊維やオリゴ糖、糖アルコール、難消化性デンプンなどのルミナコイドです。これらは消化・吸収されることなく大腸まで達し、腸内にもともと存在する善玉菌の餌になり、ヒトに有用な短鎖脂肪酸などの代謝物を生み出してくれます


■プロバイオティクス*(1)

腸内フローラのバランスを改善することにより、ヒトに有益な作用をもたらす「生きた微生物(善玉菌)」

主な菌種:ビフィズス菌、乳酸菌、納豆菌、枯草菌など

主な効果:便秘や下痢、乳糖不耐症の改善効果、免疫機能の改善による感染防御やアレルギー抑制など



■プレバイオティクス*(2)(3)

大腸内の特定の細菌の増殖及び活性を選択的に変化させることにより、ヒトに有利な影響を与え、ヒトの健康を改善する「食品成分」

主な成分:食物繊維やオリゴ糖、糖アルコール、レジスタントスターチなどのルミナコイド

主な効果:整腸作用、炎症性腸疾患の予防・改善、感染予防、免疫応答調整、血圧・血糖調整、ミネラル類の吸収促進、皮膚の健康、ストレスの軽減など



プロバイオティクスもプレバイオティクスも腸内環境を整える効果があります。しかし、最も大きな違いは、腸を機能させるエネルギー源である短鎖脂肪酸を生成するか否か。

そして、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方の特性を備えたものをシンバイオティクスといいます。


但し、腸を適切に機能させるために、プレバイオティクスであるルミナコイドの摂取量を増やすだけではなく、様々なルミナコイドの摂取が望まれます。


何故なら、複数種類のルミナコイドの積極的な摂取は、腸内で産生される短鎖脂肪酸のバランスの変化を引き起こすことができからです。酪酸レベルが上昇すると大腸がんが抑制される*(4)(5)ことや、プロピオン酸や酪酸のレベルの上昇は、満腹や肥満症と関連している*(5)(6)ことが分かっているからです。


出典:

*(1)「補完・代替医療 プロバイオティクス」(辨野義己/著),p72,金芳堂2010

*(2)「食物繊維 基礎と応用」(日本食物繊維学会編集委員会/編) p160,2008., “食物繊維の栄養・生理機能に関する研究”日栄・食糧会誌61(1)

*(3) "Modification of Intestinal Absorption by Dietary Fiber and Fiber Components."Dietary Fiber in Health and Disease pp 53-71., 公益財団法人 腸内細菌学会

*(4)「食物繊維による大腸ガン抑制効果における酪酸の関与について」一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集 / 58回大会(2006年)

*(5)"Colonic health: fermentation and short chain fatty acids." J Clin Gastroenterol. 2006 Mar;40(3):235-43.

*(6)"Propionate as a health-promoting microbial metabolite in the human gut." Nutr Rev. 2011 May;69(5):245-58.