大腸全域に短鎖脂肪酸を生み出すには

更新日:8月14日

大腸内の常在菌がルミナコイドを発酵させて産み出す短鎖脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸など)は、小腸の繊毛運動や、大腸のぜん動運動のエネルギー源になります。


大腸全域に生息している常在菌に短鎖脂肪酸を産み出させるには、ルミナコイドも大腸全域に行き届かせる必要があります。

小腸は、約6~7mの長さがあり、その表面積はテニスコース1面分(約200㎡)、大腸は約1.5mの長さで、テニスコート半面分(約100㎡)の表面積があると言われています。


ルミナコイドは、それぞれ分子量、分子構造、水溶性・不溶性などの特性が異なります。よって、それぞれを利用する常在菌の種類や発酵に要する時間も、発酵産生される腸管部位も異なると考えられます。

低分子で水溶性が小さいルミナコイドは、大腸の入り口付近(上行結腸)の常在菌により短鎖脂肪酸が産生されます。また、不溶性でありながら水溶性の特徴を持つレジスタントスターチのようなルミナコイドは、大腸の奥(下行結腸)まで届き、そこで短鎖脂肪酸が産生されます。*(1)(2)


つまり、分子量が異なる、さらに水溶性・不溶性といった特性の異なる、複数種類のルミナコイドを摂取することにより、大腸全域で短鎖脂肪酸を産み出すことができます。

発酵速度が異なるルミナコイド(イヌリン 、フラクトオリゴ糖、βグルカン、レジスタントスターチなど)が含まれた大麦や、複合したルミナコイドを摂取することで、大腸内全域に満遍なく、酪酸をはじめとする短鎖脂肪酸を産生させることができます。


では、普段の食生活でこれらのルミナコイドを摂取するには、何を食べればよいでしょうか?



ルミナコイド含有食品一例


イヌリンは、チコリやゴボウ、玉ねぎ、ニンニクなどに多く含まれている難消化性多糖類です。


フラクとオリゴ糖は、玉ねぎ、ゴボウ、バナナ、にんにく、トマトなどに多く含まれている難消化性オリゴ糖類です。


βグルカンは、大麦やオーツ麦などのイネ科穀物やキノコ類などに多く含まれている難消化性多糖類です。


レジスタントスターチは、青(未完熟)バナナ、とうもろこし、豆類、芋類などに含まれる、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の特性を合わせ持っている難消化性でんぷんです。


ルミナコイドは、1日30~39g程度の摂取が望まれます。現代人は、食物繊維を1日当たり平均14gしか摂取できていないと言われています。*(3)難消化性食物成分であるルミナコイドも同様に大きく不足していることが推察されます。



出典:

*(1)「ルミナコイド素材のエネルギー評価の考え方と 1,5- アンヒドログルシトールのエネルギー評価結果 」ルミナコイド研究 22(1):29-33(2018)

*(2)「腸内細菌叢の安定と変動に関与する食物成分(2)」腸内細菌学雑誌12:57-72(1999)

*(3)厚生労働省e-ヘルスケアネット[情報提供]食物繊維の必要性と健康